クラフト

図書館の恐竜

投稿日:2019年10月26日

山村の小学校の図書室でお仕事をされているMさん。
1個100円のミニ恐竜を3個購入されていきました。
1ヶ月後くらいにお見えになって聞かせていただいたお話し。
恐竜を購入した時は何となく気に入っての事だったのですが、その恐竜を小学校の図書室の台に飾っておいたそうです。
そのちっちゃな恐竜が起こしたエピソード2話。

そのⅠ 3年生の男の子Aくん。
Aくんは本に興味は持ちそうにない感じの男の子で図書室にもほとんど顔をみせなかったようです。
そんなAくんがある日、木の恐竜について質問してきたそうです。
「これ?先生が作ったの?」
「ううん、違うよ。先生の友達が作ってるんだよ」
「ふうん・・・・」
それから時々図書室に顔を見せるようになって、ただ恐竜だけを見に来て触ったりして帰って行くという。
ひと言ふた言話しをすることもあったそうですが、それでも本を借りたりはしてなかったそうです。
そんなやりとりが続いて、ある時急に本を借りて読むことに目覚めたAくん。
それから読みたい本が図書館にない時はお母さんにねだって買ってもらう事もあったとか。
さらにAくんの読書熱はアップし、クラスで本読みのイベントを率先して開催し、自分が朗読し発表するまでになったとの事。

そのⅡ 2年生女の子 Bさん
Bさんはクラスのみんなにとけこむ事が苦手な性格な様子で、図書館の入り口までは1人で何回かくるのだけれど、入ることが出来ずにいたそうです。
ある時、入り口から見える木の恐竜を発見し、関心を示してるのが様子で伺えたそうです。
身近で見たり触ったりするにはガラス戸を開けて入ってくるしかありません。
Mさんが言いました。
「その子がね、戸を開けて初めて入ってきたんですよ。」

捨てられるような木の端材でカットした木の恐竜。
そんなきっかけを作り出せるなんて・・・
我ながら感動!

学校の先生でもなく図書館の仕事だけパートとして働いてるMさん。
山間の1学年十数人だけの小学校。
Mさんは全員の名前を知っています。


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